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2010年6月

2010年6月27日 (日)

勉強法(参考程度に)

弁護士で東海大学法科大学院特任教授の落合洋司氏(twitter account:@yjochi)の司法試験の勉強法に関する一連のtweetが、アクチュアリー試験(特に2次試験)にも参考になりそうなのでリンクを張っておく。

そもそも試験の種類が違うのであくまでも参考程度に。しかしこれを見ると、やっぱりアクチュアリー試験より司法試験のほうが大変そうに思える…

2010年6月24日 (木)

とある…

Toaru_ev

正直に言うと、今回のエントリはこれをやってみたかったというのが第一の理由。ありがとう、とあるジェネレータ

以前は「潜在価値」と訳されていたエンベディッドバリューも、そのままカタカナで書いてもそれなりに通じる程度には浸透してきたように思う。EVというのを見て電気自動車よりエンベディッドバリューを思い浮かべてしまうのは職業病だ。

さてそのEV(エンベディッドバリューのほうね)だが、生命保険会社の企業価値を表すものとされる。簡単な説明としてはアリなのだが、そのせいで少々誤解があるようにも思う。

第一生命上場に関するダイヤモンドオンラインの記事。この中で、次のような言及がある。

第一生命は、保険会社を評価するうえで欠かせないEV(エンベディッドバリュー)を公表している。通常の企業の純資産に当たるもので、保険会社の場合は純 資産相当額に現在保有している契約から将来得られる利益相当額を加味したもの。通常、株価EV倍率(時価総額÷EV)は1倍になるべきものであるが、第一 生命は0.53倍と遠く及ばない。

しかし、株価EV倍率は、そもそも「1倍になるべきもの」ではない。それは、「通常の企業の純資産」と、株式時価総額が一致すべきものではないのと同じ話だ。

その中で端的なものとしては、「将来の新契約の価値」が挙げられる。EVは「現在保有している契約が将来に生み出す収益の価値」なので、将来獲得するであろう契約の価値は含まれていない。

それ以外にも、一般事業会社と同じく、例えばブランドの価値のようなものは含まれていないため、時価総額から乖離する要因として考えられる。

EVはあくまでも財務上の補足情報である。財務諸表で会社のすべてが分かるわけではないのと同じように、EVで会社の価値がすべて分かるわけではない。時価総額とEVの比較をする株式アナリストは多いが、そういった面上の数字にとどまらず、それに何を加味するかが重要視されるようになるだろう。

2010年6月20日 (日)

生命保険と自殺(2)

自殺についてtwitterで(正確には私のタイムラインで、だが)話題になっていたので私の以前のエントリを紹介したところ、いろいろと有益な意見をいただいた。それを受けて以前のエントリに若干の補足をしたい。

以前のエントリで紹介したに、「自殺実態白書」の中で生命保険契約と自殺の関係に触れた「自殺と契約制度」という節は、次のように締めくくられている。

これらの分析結果は、現在の連帯保証人制度や保険契約のあり方を再考する必要性を示している。

再考する必要性だけ示されていてどう再考すべきかが示されていないので、生命保険契約をどう見直せばいいのかについてちょっと考えてみる。

生命保険金が支払われることが自殺の誘因になっているのなら、生命保険金が支払われなければ自殺をすることもなかろう、というのは最も自然な考え方だ。つまり、自殺免責期間のさらなる延長である。これにはさらに二つの考え方があって、保険金取得目的の抑制と、それ以外に分けられる。

保険金取得目的の自殺の抑制については以前のエントリで述べたとおり、すでに自殺免責期間は3年にまで延長されており、生命保険会社各社はすでに対応済みと考えていいだろう。それ以外の「自殺を考えたときに生命保険に加入していることを思い出したので、家族の後の生活の心配をせずに自殺ができる」という一般論へは、自殺に関してまったく保険金を支払わないことでしか対応できないが、これには少々賛成しかねる。自死遺族へのダメージが大きすぎるからだ。

自殺率は男性のほうが高い。しかも45-65歳の自殺率のほうが、65歳以上よりも高い。そして、日本の公的制度は、男性が働き、女性が専業主婦であることを前提にできている(少なくとも、そのような形が最もトクをするように設計されている)。こう考えると、自死遺族で最もありうるのが、専業主婦の妻、中学生から大学生くらいまでの年齢の子供、という構成になる。これに中途採用のハードルの高さを考えると、妻が自活できるだけの就職先を見つけるのは厳しく、子供は学業を断念して働かざるを得ず、さらにスキルアップの機会も持てない。経済面でのバッファーがなければ貧困層に陥る可能性が高いと想像される。

よって、自殺率対策を生命保険の契約制度から考えるよりは、雇用機会の拡大を図るようなアプローチをとるほうがいいのではないだろうか。自死遺族の経済問題が克服されるという前提ならば、自殺免責を全保険期間にすることに、私は賛成できる。

追記

@chihointokyoさんから最後の「雇用機会の拡大」に関してtwitterでコメントをいただいた。@chihointokyoさんの指摘されるとおり、貧困層に働く機会がまったくないわけではない(というよりむしろ働いている)。ただ、日本の雇用環境の特徴として新卒の極端な重視があり、したがって自死遺児が学業を断念した場合、それを取り戻すチャンスがない。私のいう「雇用機会の拡大」とは、単に働けるようにすればいいということではなく、中途採用市場の充実などを通じてスキルと収入の向上の機会を増やし、貧困の固定化を減らす構造を導入することを指している。

2010年6月 2日 (水)

アクチュアリー2次試験について何か書いてみる(2)

前エントリに対して、むしまん(@mushiman2)さん(この方も正会員)からTwitterでコメントをいただいた。

お二方の二次試験ブログ拝見しました。面白い所見が読みたいや、能動的に情報を集める、はミスリードな気が しました。私は勉強範囲はテキスト等の試験範囲のみ、所見は無難にプラスアルファ程度で十分、と考えてます。

こういうコメントは歓迎したい。勉強の仕方はいろいろなので、たまたまブログを書いているアクチュアリーというだけで、たかだか2~3人の言っている勉強法を鵜呑みにしてはいけない。

また、現役2次試験受験者のまいす(@maisudai)さんもブログエントリをあげておられる。

さて、actuary_mathさんがブログエントリで損保受験者向けの知識編リソースを挙げておられるので、生保知識編についても若干挙げてみる。

(1) 法令関係

actuary_mathさんのエントリ参照(と、手を抜いてみる)。

(2) 海外情報

前エントリにも追記したとおり、海外で現在進行形の話題は直接取りにいくと情報が多すぎるのでおすすめしない。アクチュアリー会のサイトで研修例会などの資料を見るか、アクチュアリージャーナルや会報別冊を読むことを個人的にはおすすめする。

(3) 昔の情報

前エントリにも書いた「留意事項」の中に、不十分な解答となっているケースとして、次のような注意事項がある。

語句の内容は理解していても、それがどういう背景、考え方に基づいているかを理解していない。

この「背景」や「考え方」を知るにあたって、参考になりそうな書籍を2点、挙げておく。

  1. 生保商品の変遷~アクチュアリーの果たした役割~(保険毎日新聞社)
    昔の生命保険の計理課題について記された本。戦後の生命保険計理の課題とそれらへの対処について知るのには好適。1996年の保険業法改正より前に書かれたので、業法改正以降のことは載っていない。
    なお、下のamazonのリンクは中古本でプレミア乗りまくりなので、出版社に直接注文するほうがいいかもしれない。
  2. アクチュアリー会会報別冊第189号「責任準備金について」
    「生保計理に関する基本問題研究会」による。10年以上前の会報別冊なので最近の動向は入っていないが、本質論が書かれているという意味では非常におすすめである(同じく基本問題研究会の手によるもので会報別冊第180号「解約返戻金について」というのもあったが、いま見たら売り切れていた)。目次は以下のとおり。
    • 第1章 日本における責任準備金の歴史
    • 第2章 諸外国における責任準備金
    • 第3章 責任準備金の意義・役割(責任準備金とは)
    • 第4章 現行業法下での責任準備金に対する考察
    • 第5章 責任準備金についての新たな課題

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