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2010年7月 4日 (日)

保険会社の運用上限撤廃

昨日(7月3日)の日経新聞に保険会社の資産運用規制の撤廃が記事として載ったらしい。(ウェブ上でも記事はあるのだが、個別記事へのリンクすると損害賠償を請求されるかもしれないのでリンクしない。)

保険会社の資産運用規制は保険業法施行規則第48条に定められたもので、国内株式3割・外貨建資産3割・不動産2割が上限であることから、「3・3・2規制」とも言われる。

これに加え、1企業(または1企業グループ)に対して突っ込むことができる運用資産にも上限がかかっている(保険業法施行規則第48条の3)。これを「同一人規制」と言う。例えば貸付金の同一人規制は3%なので、総資産(正確には一般勘定資産)が1兆円の保険会社が、ある株式会社Xに貸しつけていい金額は300億円まで、ということである。

余談になるが株式について同一人規制はない。ただし、保険会社が子会社にしていい業種は決まっている(保険業法第106条)ので、特定企業の株を買い過ぎるとこちらに引っかかる。

日経の記事は同一人規制については言及していない。「国外でのM&A(合併・買収)にかかわる規制もなくす」と書いてあるのだが、これがそのことだろうか?

話を戻す。3・3・2規制の撤廃によって、保険会社の運用が大きく変わるだろうか。私はあまり変わらないだろうと思っている。

保険会社(特に生命保険会社)は負債がきわめて長いため、ALM的には超長期の債券を充てるのが金利リスクを減らすには最もよい。ところが、30年や40年といった債券は発行量が少ないので、多くの生命保険会社は望むようには金利リスクを減らせていないはずである。金利リスクが残っているということは、他のリスクを積極的に取る状況にはないということだ。

加えて、2011年度末からソルベンシー・マージン基準が厳格化される。株式も不動産も、リスク係数は現行の2倍になる。少なくとも他社の数値の状況を見てからでないと、ソルベンシー・マージン比率が下がると分かっている運用にガンガン進む会社はないだろう。

ただそうは言っても思わぬ動きがあるかもしれない。来年の通常国会に法案提出の方針とのことなので、要注目ではある。

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