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2011年2月 6日 (日)

破綻生保の行方

米プルデンシャルグループによる買収が決定していたAIGエジソン・AIGスターの2社だが、2月1日に株式取得が完了したとの発表がなされた(プレスリリース[PDF])。これら2社はジブラルタ生命の子会社となり、2012年1~3月にジブラルタ・AIGエジソン・AIGスターの3社を合併させる計画という。

AIGエジソンとAIGスターはもともと、破綻した東邦生命と千代田生命をそれぞれ母体とする生保である。戦後、これまでに破綻した生保は全部で8社だが、それらの破綻後の変遷を見てみよう。

  • 日産生命[1997年破綻]→あおば生命→プルデンシャル生命に吸収
  • 東邦生命[1999年破綻]→GEエジソン生命→AIGエジソン生命→ジブラルタ生命の子会社
  • 第百生命[2000年破綻]→マニュライフ生命
  • 大正生命[2000年破綻]→あざみ生命→大和生命→プルデンシャル・ジブラルタ・ファイナンシャル生命
  • 千代田生命[2000年破綻]→AIGスター生命→ジブラルタ生命の子会社
  • 協栄生命[2000年破綻]→ジブラルタ生命
  • 東京生命[2000年破綻]→T&Dフィナンシャル生命
  • 大和生命[2008年破綻]→プルデンシャル・ジブラルタ・ファイナンシャル生命

ということで、破綻8社のうち6社までがプルデンシャルグループ傘下に入ることになった。

生保が破綻した場合、保険金が削減される・破綻後数年間は解約時に早期解約控除がかかるなど、特殊な事情がいろいろと発生する。破綻生保の運営というのにも特殊なノウハウが必要なのかもしれない。だとすると、破綻生保の運営をまとめて引き受けるというのは、割と効率が見込めるのかもしれない。

加えて追い風になるかもしれないのが、以前エントリにも挙げた金融庁アクションプランだ。その中に、次のようなものがある。

  • 保険会社におけるグループ経営の円滑を図る制度整備(業務の代理・事務の代行に係る手続負担の軽減)
    現在は保険会社グループ内で一つの会社に保険事務を集中させるといった場合に、認可が必要になっている。これを届出制に緩和しようというもの。保険業法第98条第2項を改正することになるので、法案を国会に上げる必要がある。工程表上は平成22年度内。

プルデンシャルグループの計画では、プルデンシャル・ジブラルタ・ファイナンシャル生命(PGF生命)は銀行窓販専用の保険会社とする方向になっており、合併の対象からは外れている。ただ、PGF生命の保有契約には旧大和生命契約があるため、事務部門は銀行窓販商品以外に、伝統的な保険商品の事務にも習熟しなければならない。上記の制度整備がなされれば、普通の生保商品の事務をジブラルタ生命に集約し、PGF生命は銀行窓販商品の事務に集中することができる。

届出制になってしまうと外部資料では分からなくなってしまうのだが、いろいろな歴史の生保を数多く傘下に抱えたプルデンシャルがどのような運営を行っていくのか、注目される。

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