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2011年10月 8日 (土)

ラストマネー(第3話)

さてドラマ「ラストマネー」も第3回。今回は愛人が保険金受取人になって、焼死した夫の保険金を受け取る話。

まず愛人を保険金受取人に変更できるのか。保険金受取人の変更は被保険者の同意がなければダメなのだが(保険法第45条)、今回のケースでは保険契約者=被保険者=夫、ということで、この点は問題ない。保険契約者が保険会社に保険金変更の意思表示をすれば(必要書類を提出すれば)保険金受取人の変更は成立する。

ドラマはもう一つ、契約の有無の確認の話が同時並行で進む。契約者不明、担当者不明、保険証券も存在せず、保険金受取人だけが分かっている契約を探すという話だ。

こういう話が実際にあるのかどうかは知らないが、ドラマで言っているように、保険料の横領が考えられるので、まあ調査の対象にはなるのかもしれない(たとえそうだとしても、普通は保険契約者が言ってくるものだが)。ただ、話を持ってくる先が「査定部」というのがおかしい。

保険契約は普通「入口」と「出口」がある。「入口」は保険に加入するとき、「出口」は支払請求のときの話だ。当然「査定部」は出口の部署に属するので、そのような部署に入口の問題が持ち込まれることはちょっと考えにくい。

まあともかく、主人公の向島と新人の大野は、その「入口」の状況を確認するため営業部に向かう。これがまたおかしい。

通常、契約にあたって記入した申込書は、支店(会社によっては支部とか営業部という)から、契約加入管理の部署に直接送られる。これは営業職員の手を離れた書類は契約管理事務を行う部門がチェックする(営業関係の人間を介在させない)ことで不正を防止する側面がある。通常、支店から営業部を経由するなどということはない。
ところがドラマでは、営業部の人間が机の上の書類をガサガサ探して、申込書類を出してくる。しかもそれを営業部で処理しているようなのだ。

これは…架空契約、作りたい放題ではないのか。

清和生命、大丈夫なのか…まあ大丈夫だったらドラマにならないのだが。

P.S.

ちなみに毎回、枝葉末節にしばかりツッコミを入れるのは、ミステリー仕立てのこのドラマでネタバレを避けようとすると、こういうことしか書けないからです。

(追記)

今回の話では愛人に保険金受取人を変更するところが肝腎なので、「そもそもそんなことができるのか」という疑問が出るだろう。

と思って調べてみたら、「文研保険事例研究会レポート」というものの中に、こういうのがあった。

不倫相手を保険金受取人とした指定の公序良俗違反による無効(PDF)

ドラマの中では、妻と離婚してからの受取人変更なので、公序良俗違反に問うのは難しいように思う。保険法でも、受取人変更に際して保険会社の承諾は必要とされていない。

ただしこの保険法の規定は任意規定なので、約款で制限をかけている会社があるかもしれない。

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