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2012年1月 9日 (月)

合格者数

先日、金融庁から、「平成24年以降の公認会計士試験合格者数のあり方について」なるものが公表されました。原文はPDFですが、以下に全文引用します。

公認会計士試験については、公認会計士・監査審査会において運用され、平成23年の合格者数は1千5百人程度であったところであるが、合格者等の活動領域の拡大が依然として進んでいないこと、監査法人による採用が低迷していることに鑑み、平成24年以降の合格者数については、なお一層抑制的に運用されることが望ましいものと考える。

さて、私のようなアクチュアリーにとっておは、専門職資格という点で公認会計士や弁護士、証券アナリストの資格がどのようになっているのか、またどうなっていくのかは常に関心のあるところです。

その点、上に引用した「あり方」は、アクチュアリーという資格との違いが際立って現れているところだと思いました。

公認会計士は国家資格です。したがって、国として必要と認識する公認会計士の数が、公認会計士試験の合格者数のあり方に直結しています。つまり

一方、アクチュアリーは国家資格ではなく、民間資格です。多くの保険会社に必須な「保険計理人」という役職はアクチュアリー(日本アクチュアリー会の正会員)でなければなりませんが、保険計理人以外が保険数理業務をやってはならないというわけではありません。当然、「保険会社の数が増えていないからアクチュアリー試験の合格者数は抑制すべき」といった議論が生じるわけがありません。

専門職資格試験には、「その専門職にふさわしい能力を持っているかどうかを試す」という能力試験の面と、「その専門職に就くことができる人数を絞る」という需給調整の面があります。

「公認会計士試験のあり方」は、明らかに需給調整の面から考えての意見ですが、能力試験としての公認会計士試験のあり方から考えるとどうなのでしょう。一般的には就職活動で「経理がやりたいです!」と言って入社する人が多いとは思えませんので、どこの企業も経理人材の採用や育成には頭を悩ましているような気がします。

その意味では、有能力者(会計の専門知識を持つ人材)需要と有業務者(会計監査業務に従事する人数)需要の間にジレンマを抱えているように思われます。「企業財務会計士」はその一つの解決法につながるものだったのかもしれませんが…

カテゴリーは「アクチュアリー」でありながらアクチュアリーとあまり関係のないエントリになってしまいました。まあ、専門職資格試験のあり方としては、他の専門職の状況を見ることも参考になるのではないかな、と思った次第です。

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