« 2012年3月 | トップページ | 2012年5月 »

2012年4月

2012年4月20日 (金)

更新:保険関係法規集

すでにアップしておりますが、保険関係法規集を更新しました。

4月18日の官報にて公布された、保険業法施行規則および平成10年大蔵省告示第228号の改正です。

パブリックコメントが出た段階でご紹介した、資産運用比率規制の撤廃です。4月18日の公布をもって即日施行です。

内容的にこれだけだと単なる二重投稿になってしまうのですが、パブリックコメントの中で出ていた意見が興味深かったのでご紹介します。

保険業法第97条の2第1項が内閣府令で一定の資産運用比率規制を定めることを予定しているにもかかわらず、内閣府令案でこの規制を全くなくしてしまうことは、法律の委任の限度を超えているのではないかという疑いが生じる。したがって、何かの機会を見て、法第97条の2第1項を削る等の法律改正を行うべきである。

金融庁の回答は「今後また資産規制が必要になるかもしれないから法律の条文は存置する」「もともと内閣府令(施行規則)に委任されているから限度を超えているわけではない」というもので、まあ回答として間違ってはいないけどちょっと形式的で強弁くさいよね、という感がなくもありません。私も、この比率規制撤廃の話が「金融庁アクションプラン」の一環として出てきたときには、

保険業法施行規則第48条がターゲットだが、ここの改正だけでは「撤廃」とはならない気がするが法改正までするのだろうか。

書いていますし。

もともと保険業法から内閣府令(保険業法施行規則)に委任されている事項というのは山ほどあります。そしてその中には、保険業法で「内閣府令で定める」とありながら保険業法施行規則には対応する条文がない、いわゆる「空振り規定」というのもたくさんあります。

ただ、それらのほとんどは「対応する施行規則が『まだ』存在しない」というもので、すでに存在するものをわざわざ「空振りにする」というケースはあまり見たことがありません(他の条文や府省令に移すケースはあります)。

さきに述べたとおり金融庁は「今後また資産規制が必要になるかもしれないから」と言っているのですが、その可能性はとても低いように思いますので、こんな盲腸みたいな条文を残すのはどうなんかな、というのが個人的な感想です。

2012年4月18日 (水)

浅谷輝雄さん

浅谷輝雄さんが昨年10月18日に亡くなられていたことを初めて知りました。

といってもご存知ない方が多いと思いますが、大蔵省に勤務されていたアクチュアリーです。大蔵省生え抜きでのアクチュアリーは戦後はおそらく浅谷さんしかいなかったので、「最後のガバメント・アクチュアリー」と言われていました。保険1課長も経験され、昭和の保険行政に大きな貢献をされた方です。

私は浅谷さんのお名前を知る頃には大蔵省を定年退官されていて、ニッセイ基礎研究所の顧問でした。といっても私は面識はないのですが、保険関係法規集のサイトをほめておられたと、人づてに教えていただいたことがあります。

浅谷さんが監修された本としては「リスク管理とアクチュアリー」や「生命保険再生の指針」があります。


アクチュアリー会においても、生保の2次試験のテキストの第2章「生命保険計理」が浅谷さんの手になるものですし、「生保計理に関する基本問題研究会」の顧問として多くの助言をされたと聞いています。この基本問題研究会からは「解約返戻金について」と「責任準備金について」の2つの会報別冊が出ていますが、保険計理の本質に迫る議論がなされており、生保の2次試験の受験者は必読だと思います(と書いてから気付いたのですが、「解約返戻金について」のほうは完売してますね…)。

これらの活動に加え、浅谷さんは自分のホームページも持っておられました。

浅谷輝雄 SOHOからのメッセージ

おそらくこのホームページを開設した時点ですでに70歳に近いか、それ以上だったのではと思うのですが、今で言えば完全にブログの感覚ですね。いやーすごい。

また内容も、(時代的な古さはさすがに否めませんが)その深さは、いま読んでも考えさせられることばかりです。

このサイトの更新が途絶えてから、アクチュアリーの間でときどき「どうされているのか」と話題になることはあったのですが…
ご冥福をお祈りします。

2012年4月 9日 (月)

日本法人化

エントリとしては遅きに失してしまいましたが、4月2日、メットライフアリコ生命保険株式会社が営業を開始しました。

これまで営業していたメットライフアリコは正式名称が「アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー」であり、外国法人の日本支店になっています。保険業法的には「外国生命保険業免許」といい、第185条で規定されているものです。登記が外国でなされている法人、ということです。

これに対し、新たに設立された会社は、日本で設立登記が行われたもので、保険業の免許は、保険業法第3条に規定される「生命保険業免許」となります。メットライフアリコ生命保険会社は2月29日に、金融庁からこの免許を取得しました。

この結果、現在「メットライフアリコ」と呼ぶべき会社が2社あることになりますが、現在は、旧「メットライフアリコ」から新「メットライフアリコ」への移行が進められている途中ということになります。旧「メットライフアリコ」の契約は、5月31日に新「メットライフアリコ」に移転される予定となっています。移転までの期間中は、一部取扱いを停止している手続きがあるようです

メットライフアリコの日本法人化によって、外国法人である生命保険会社は次の3社だけになってしまいました。

  • アメリカン ファミリー ライフ アシュアランス カンパニー オブ コロンバス
  • カーディフ・アシュアランス・ヴィ
  • チューリッヒ・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド

今後こういう日本法人化の流れが続くかというと、おそらくはないと思います。というのも、メットライフアリコはメットライフがAIGから買収したものですので、その点で特殊な事案だと考えられるからです。

実は以前、同様の日本法人化の動きが、証券会社でもありました。

このとき、当の外資系証券会社の方々は、この日本法人化のことを「株式会社化」としきりに言っていて、どうにも違和感を覚えた記憶があります。前から株式会社だったんちゃうんかい、と。

保険の世界で「株式会社化」という言葉を使う場合、相互会社から株式会社への転換を意味します(最近では第一生命が行いました)。上のメットライフアリコのような事例を「株式会社化」と呼ぶことはありませんので、なまじご存知の方はご注意を。

« 2012年3月 | トップページ | 2012年5月 »

フォト
無料ブログはココログ
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近のトラックバック