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2013年7月22日 (月)

グローバルにシステム上重要な保険会社

7月19日、「グローバルにシステム上重要な保険会社」(Global Systemically Important Insurers; G-SIIs)が発表されました。

これは2008年の金融危機において保険会社も金融システムに重大な危機を及ぼす「システミック・リスク」を引き起こしうることが認識されたため、そのような保険会社にはより高い健全性を要求するものです。

このような金融機関のうち銀行(G-SIBs)についてはすでに公表されており、日本では三菱東京UFJ、みずほ、三井住友のいわゆる3メガが指定されています。

今回G-SIIsとして指定されたのは以下の9つの保険会社です。

  • アリアンツ
  • AIG
  • ゼネラリ
  • アビバ
  • AXA
  • メットライフ
  • 中国平安保険
  • 英プルーデンシャル
  • 米プルデンシャル

日本で展開している会社も多く見られます。前回のエントリで挙げた英プルーデンシャル、米プルデンシャルも共に入っていますね。

さて、このリストの中で、個人的には中国平安保険だけが違和感がありました。平安保険はほぼ中国(香港・マカオを含む)のみの事業展開だと思っていたので、「グローバル」ではないのでは、と思っていたのです。

しかし、このG-SIIsの選定基準は次のようになっているのでした。

  • 規模:5%
  • グローバル展開度:5%
  • 相互関連性:40%
  • 非伝統的保険・非保険的活動(NTNI):40%
  • 代替可能性:5%

パーセント表示は考慮するにあたってのウエイトです。すなわち、相互関連性(他の金融商品・金融機関と深く結びついているかどうか)や、非伝統的な保険商品を取り扱ったり、保険以外の事業のウエイトが大きいかどうかが重視されているのです。中国平安保険は傘下に銀行や投資顧問などを幅広く抱えており、その点が対象となったのだと思われます。

その意味では、G-SIIsは「保険会社」を選ぶプロセスではなく、「保険会社を中心とした金融コングロマリット」を選ぶプロセスなのだと理解したほうがよさそうです。

この点では日本の保険会社は多くが単一事業であり、しかも伝統的保険が中心であるため、このリストに入らないのも納得というところです。金融危機の際にAIGがクローズアップされたときも、「伝統的保険は金融危機と無関係」ということが頻繁に言われました。実際、AIGの解体の過程において、AIGが持っていた世界各国の保険事業はスムーズに売却に成功しています。

とはいえ、日本の保険会社も、海外展開を進めてきています。グローバルに活動する保険会社に対する監督規制のあり方についてはまさに国際的に議論されているところですので、G-SIIsに対する規制の議論が関わってくる可能性もあり、今後も要注目かと思われます。

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