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2014年2月

2014年2月 5日 (水)

損保ジャパン日本興亜

久しぶりのエントリになってしまいました。ちょっと目を引くニュースがあったので、これに関連する保険業法の規定を眺めてみましょう。

以前にもエントリとして挙げた損保ジャパンと日本興亜の合併名称の件ですが、これを機にグループ全体を「NKSJ」から「損保ジャパン日本興亜」にしてしまうのですね。次のようなプレスリリースが出ていました。

ちなみに保険会社のグループ名称変更については、2002年に発足したミレアグループが2008年に東京海上グループに名称変更した事例があります。

ところでこの「損保ジャパン日本興亜グループ」、主要グループ会社を並べてみるとちょっとおもしろいことがわかります。

  • 損保ジャパン日本興亜ホールディングス株式会社 : グループ持株会社
  • 損害保険ジャパン日本興亜株式会社 : 損保子会社
  • 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社 : 生保子会社

保険業法上の制約によって、損保子会社の正式名称は「損保ジャパン~」と書けないんですよね。

保険業法第7条(商号又は名称)

保険会社は、その商号又は名称中に、生命保険会社又は損害保険会社であることを示す文字として内閣府令で定めるものを使用しなければならない。

保険業法施行規則第13条(商号又は名称)

法第7条第1項に規定する生命保険会社であることを示す文字として内閣府令で定めるものは、生命保険とする。

2. 法第7条第1項に規定する損害保険会社であることを示す文字として内閣府令で定めるものは、次に掲げるものとする。

一 火災保険

二 海上保険

三 傷害保険

四 自動車保険

五 再保険

六 損害保険

3. 損害保険会社は、前項各号に掲げる文字のうちいずれか一の号のものをその商号又は名称中に使用することをもって足りる。

ということで無理に「損保ジャパン~」を使おうとすると「損保ジャパン日本興亜損害保険株式会社」とせざるを得なくなってしまい、損保と損害保険がかぶってしまうことになります。法的制約のためとはいえ、関係者の方は多少忸怩たる思いがあるかもしれません。

ちなみに英文名称はこういう制約がありませんので、きれいに揃いますね。

  • Sompo Japan Nipponkoa Holdings, Inc.
  • Sompo Japan Nipponkoa Insurance Inc.
  • Sompo Japan Nipponkoa Himawari Life Insurance, Inc.

さて一方、生命保険会社のほうについては、名称の中に「生命保険」を入れなければならないとされているので、これは何の問題もありません。では仮にグループ名称が「損害保険ジャパン日本興亜グループ」だとして、「損害保険ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社」という名称は許されるのでしょうか?

保険業法を見る限り、どうもこのような名称を禁止する明文の規定はなさそうです。つまり「損害保険生命保険株式会社」という名称の生命保険会社(あるいは損害保険会社)を作っても違法ではないようです。

ただ、保険業は免許業種ですから、当局の認可が下りるかというと、ほとんど不可能な気がします。保険業法にも、

保険業法第5条(免許審査基準)

(略)

2. 内閣総理大臣は、前項に定める審査の基準に照らし公益上必要があると認めるときは、その必要の限度において、第3条第1項の免許に条件を付し、及びこれを変更することができる。

とありますので、生命保険業か損害保険業か紛らわしい名称はまさに一般公衆の保険の選択の便宜「公益上必要があ」って変更することになるのでしょうね。

上記書のP24には、保険業法上の商号または名称の規定について次のように解説されています。

保険会社の商号または名称についてこのような制限を設けたのは、免許事業である保険会社をして他の類似業務と容易に識別できるようにするとともに、保険会社の営む保険業を示して一般公衆の保険の選択の便宜を図るためである。

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