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2014年5月15日 (木)

アクチュアリー採用について(コメントへの返信に代えて)

数年前に「アクチュアリー採用(する側の気持ち)-独断と偏見」というエントリを書いたのですが、このエントリにいまだにコメントが来ます。就活中(あるいは就活を考えている)学生・院生の方々が多いです。

で、先日もまたいただきました。ちょっと回答が長くなりそうなのと、なんか今までの回答で誤解されている部分がありそうなので、エントリ立てることにしました。

コメント(というかご質問)は次のようなものです。

初めまして。いつもブログを拝見しております。現在経済学部4年で経済学研究科への大学院進学を希望している者です。2つほど質問があります。

「アクチュアリーは専門職ですので、その専門性を高める勉強を大学や大学院で行っていれば、通常は有利になると考えられます。」とありますが、この「専門性を高める勉強」とは理学研究科や工学研究科などの研究室で保険数学を専攻しているということでしょうか。

経済学での統計(計量経済学など)あるいはデータマイニングなどの専攻というのはアクチュアリー採用において不利となるのでしょうか。

また、近年学生の段階で複数の科目に合格している方々が増えている印象があるのですが、採用において要求される科目数も増加傾向にあるのでしょうか。

私自身は統計に興味がありそれを活かせる職業としてアクチュアリーを志望しているのですが、学部時代を含めて数学をずっとされてきた方々に採用で勝てるのかという不安があります。お忙しい中だとは思いますが、よろしくお願いいたします。

まず、元のエントリの最初のほうを見ていただきたいのです。こう書いています。

※当然ながら、これは自分の経験にもとづくものなので、あまり一般化しすぎないように。会社や面接官によって全然違うことがある。

したがって、ご質問に対する身もフタもない答えとしては「そんな細かいこと、わかりません」。

とはいえ何も答えないのも失礼ですから、私の考えを説明します。

まず、「保険数学専攻」が有利になるかどうかについて。少なくとも私自身は「アクチュアリーの専門性を高める勉強」が保険数学専攻に限られるとは一言も書いていませんし思ってもいません。そもそも私が学生の時にはそんな専攻はありませんでした。あったけど私が知らなかっただけかもしれませんが。

逆に、「経済学での統計(計量経済学など)あるいはデータマイニングなどの専攻」が不利になるかどうか、ですが。これは選考の際に不利になるかどうか、ということでしょうか? 専攻だけを見て「こいつはアクチュアリーに向いてない」とか判断できると思います?

アクチュアリーには、保険数学専攻に限らないのは言わずもがな、さまざまな専攻の出身者がいます。数学だけに限っても代数・幾何・解析のいずれもいますし、応用数学出身の者もいます。物理や化学を専攻してました、というアクチュアリーもたくさん知っていますし、経済学部や法学部の出身者もいます。これらさまざまな背景をもったアクチュアリーが採用する側にいる以上、「アクチュアリー的な専攻じゃないからダメ」ということは考えにくいでしょう。

さて次に「就職活動中に必要なアクチュアリー試験合格科目数」ですが、これについても「知らんがな」としか言いようがありません。その他がまったく同じ評価であれば合格科目数の多い方が有利になるとは言えるでしょうが、そもそも「その他がまったく同じ評価」という仮定が非現実的すぎて意味がありません。

昔話になりますが、私が学生のときにはそもそもアクチュアリー試験の受験資格は「大学卒業」でしたので、在学中に受けようと思ったら特別な手続きが必要でした。大学院卒での就職志望者も少なかった頃ですし、その意味では在学中の合格科目数について考慮する必要がありませんでした。

今では基本的に大学3年生から受けることができますので、状況は大きく違うでしょう。今であれば、アクチュアリー志望でありながら就活の時点でアクチュアリー試験をまったく受けたことがない、という人に対しては「なんで?」と聞くことはあるかもしれません。(ただこれも、「受けたことがないから評価を低くする」ということは、少なくとも私は考えません。)

だからそもそも「採用において要求される科目数」なんてないです。いや、今はあるかもしれないけど、知りません。必要なら会社説明会で聞けばいいのではないですか? 普通は「ない」と思っていますし、だからこそ、アクチュアリー試験ではない、数学の試験を各社独自でやっているのだと思います。(今もやってますよね?)

なお、学生のうちにアクチュアリー試験を受けることについては、「在学中のアクチュアリー試験」というエントリも参考にしてください。かように考え方が分かれるということは、在学中に何科目合格しているかについての評価もさまざま、ということです。

なんだか突き放した物言いになってしまいましたが、ともかく応援しています。

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コメント

質問をした者です。ご回答ありがとうございます。一部誤解していた点があり、またアクチュアリーに関する情報を入手できる機会がほとんどなく不安を感じていたためかなり細かい部分まで質問をしてしまい、申し訳ありませんでした。

ご回答、大変参考になりました。さらに情報収集をして今後の進路に活かそうと思います。 この度はありがとうございました。


ご質問者の方、
かなり突き放した書き方になってしまいましたが、お気を悪くされたらすみません。
ただ、細かい質問になればなるほど、答えにくいということ以上に「それだけでは判断できない」のです。そのようなことを分かったふりをして答えることはしたくないので、「分からない」と言うしかありませんでした。
質問を嫌がっているわけではないので(ご質問者の方が不安になっていることは私も感じられましたし)、疑問がありましたらこれからも何なりとご質問ください。

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