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2014年12月

2014年12月28日 (日)

映画「寄生獣」

Wikipediaのエントリ以上のネタバレはしていないつもりです)

今さらではありますが、映画「寄生獣」を観てきました。

映画『寄生獣』公式サイト

ご存知のとおり原作は1980年代に連載されたマンガです。映画化の権利は一度ハリウッドが取得したらしいのですが、結局ハリウッドでの映画化はなされず、日本で山崎貴監督によって映画化されました。

有名マンガの実写映画化というのは残念な評判になることが多く、この作品も、前田有一氏の「超映画批評」では失敗作と評されていたりします。まあ、マンガがアニメになったときに「声が違う」と感じたりするのと同じようなもので、有名作品だとなおさら思い入れが強かったりして、想像していたイメージとの乖離を不快に感じる人が多かったりするのでしょうね。

で、マンガ「寄生獣」は私の大好きな作品の一つではありますが、映画の方はそれほどダメ評価をつける感じでもないんじゃないの、というのが私の感想です。原作は全10巻という長い話で登場人物も多く、かつ全部の話がつながっているため、これを映画として可能な長さの脚本にするのは大変だっただろうと思います。その点でうまくまとまった作品だと思います。ただ、やはり不満の残るところもあります。原作との比較を含め、いくつか感想を書いてみたいと思います。

  1. ミギーがコミカルすぎる
    これは至るところで言われていますが、声の役が阿部サダヲという時点でどうしてもコミカルな印象が拭えず、ミギーの無機質さが感じられないのは残念でした。このあたりはアニメ版のほうが雰囲気が出ています。
  2. なぜ田宮良子の父親が出てくるのか
    パラサイト田宮良子のもとに、実家から親がやってきます。このシーンは原作でもあります。
    Tamiyaryoko_mom
    ところがこのシーン、原作では母親のみが上京してくるのに対し、映画では両親が出てきます。
    でも、ここは田宮良子が「母親」というものについて考えることになる大事な場面なんですよ(「母親」はこの作品の重要なテーマで、原作でも映画でもその重要性は強調されています)。なんで父親を一緒に出して、重要なテーマをわざわざ薄めるようなことをしたのか? 謎です。
  3. 新一の母親はなぜ出て行ったのか
    映画では泉新一の家は母子家庭になっています。登場人物を絞り込んで話をうまくまとめるという意味ではよい方法だとは思ったのですが、その結果、母親が新一を刺した後、わざわざ家を出て行く理由が分からなくなってしまっています。ここは原作をなぞるのではなくて、もう少しストーリーに工夫がほしかったと思うところでした。
  4. イヌはちゃんと埋めよう
    原作「寄生獣」の中で、最も印象的なセリフの一つはこれでしょう。
    Inunokatachiwoshitaniku
    死んだ子犬をゴミ箱に捨てた時に吐くセリフです。パラサイトの無機質さと、それに感化された新一をたったこれだけで表しているのは素晴らしい。当然ながら、映画でも同じセリフが出てきます。
    しかし、原作の新一はこの後に子犬の死骸をゴミ箱から取り出し、木の根元に埋葬してやります。新一が人間としてどう行動すべきだったかを反省する大事なシーンですが、映画ではそのシーンがないので、このセリフのもつ意味が中途半端に途切れちゃってます。
と、批判ばかり書いていますが、全体としての脚本はよくまとまっていたと思いますし、特にAの役割の変化と、クライマックスの母親との対決の場面はよかったと思います。俳優陣もよかったし、完結編も観ちゃうんだろうなあ。

2014年12月25日 (木)

4月からの標準利率

ごぶさたしています。このブログで私の生存確認をしている人もいると聞きましたが、なんとか生きています。

さて、前回と同じ話になってしまうのですが、新しいルールの下での標準利率がいよいよ決まります。一時払保険に適用される新しい標準利率は平成27年4月1日以降の契約からとなりますが、「標準利率自体が何%になるか」というのは、その3ヵ月前にあたる平成27年1月1日時点で決まります。

標準利率設定の元データは財務省の公表する流通利回りですから、年内最終日である12月26日に決定することとなります。その意味では今日を含めてあと2日ほどデータが足りないのですが、まあ確定と言っていいでしょう。すなわち、

  • 第1号保険契約(一時払終身保険等)については、標準利率は1%
  • 第2号保険契約(一時払養老保険等)については、標準利率は0.5%

となります。

そもそも機動的に標準利率が変更されるような仕組みを導入したにもかかわらず、安全率係数のかけ方が平準払商品と同じというのがどうにも解せません。「予定利率を保証している期間は平準払と一時払で変わらない」という意見もありますが、だとしたら保険期間別に安全率係数を設けるべきです。あるアクチュアリーの方とは、「一時払保険は安全率係数なくっていいんじゃね?」という話をしました。

法令上、責任準備金は「標準基礎率によって計算された責任準備金と、プライシング上の予定基礎率によって計算された責任準備金の大きい方」となります。したがって、標準利率より低い予定利率を設定することに問題は生じません。

逆に標準利率より高い予定利率を使用した場合、保険会社は追加の積立負担を負うことになります。つまり、標準利率とは、実質的に「保険会社が設定できる予定利率の上限」を規定していることになるのです。

このこと自体は標準利率の意義そのものではあるのですが、たとえば今後10年国債金利が0.8%に戻ったとしても、標準利率は0.5%のままとなります(安全率係数を加味すると、改定のトリガーである0.25%を超えないため)。マッチング運用がきちんとできていてALMリスクをちゃんとコントロールしている会社であっても、市中金利に追随した利率設定をするのに大きな制約を受ける、というのは、やはり制度として何かおかしいでしょう。「ちゃんとしたALMができる会社ばかりではない」という反論も考えられますが、そもそも商品のプライシングは個別審査を受けるので、その際に会社の特質を考えればよい話です。事前に中途半端な「しばり」をかけるのはいかがなものかと。

いずれにせよ賽は振られてしまいましたし、現下の金利水準では「高い予定利率をつけたい」という会社もないでしょうから、私の感じているモヤモヤは当面は杞憂に過ぎません。ただし、金利が反騰したときに何が起こるか…気になります。

2015.1.5追記:すみません、「12月26日に決定」と書きましたが、マーケットは12月30日まで開いているので、12月30日に決定の誤りでした。最終的に決まった標準利率は上記のとおりなのですが。

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