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2016年5月31日 (火)

2015年度大手生保決算

2015年度の主要生保の決算が出揃いました。

さて、生命保険会社の決算開示は「決算のお知らせ」と「補足資料」から構成されています。

「決算のお知らせ」には以下のような内容が含まれています(以下は第一生命の例です。株式会社と相互会社で項目の表記や順番に若干の相違がありますが、おおむね似たような項目構成です)。

  1. 主要業績
  2. 2015年度末保障機能別保有契約高
  3. 2015年度決算に基づく契約者配当金例示
  4. 2015年度の一般勘定資産の運用状況
  5. 貸借対照表
  6. 損益計算書
  7. 株主資本等変動計算書
  8. 経常利益等の明細(基礎利益)
  9. 債務者区分による債権の状況
  10. リスク管理債権の状況
  11. ソルベンシー・マージン比率
  12. 2015年度特別勘定の状況
  13. 保険会社及びその子会社等の状況
  14. 保険種類別の概況

「補足資料」は資産関係の詳細な情報が含まれており、有価証券の明細や含み損益の状況、貸付金の明細などが載っています。

これらに加え、各社共通の開示内容としては記者会見資料があります。これは上記の定型の決算発表様式には掲載されていない情報を補足的に回答しているもので、平均予定利率や含み益がゼロとなる日経平均株価、銀行窓販での販売状況などが載っています。

と、ここまでが「生保の決算開示」として関係者になじみ深いものだったのですが、今回の決算開示の特徴としては、これら以外に独自の開示を行う会社が増えたということが挙げられます。

上場している第一生命をはじめとして、このような決算説明資料の開示は過去もある程度は行われていたのですが、決算開示当日にこのように大手が揃って開示するのは今回が初めてではないかと思われます。

その背景ですが、やはり最近活発となったM&Aにあると思われます。

上記の定型の開示様式はあくまでも単体決算がベースであり、連結関係の情報は「保険会社及びその子会社等の状況」だけです。このため、業績を含めた形でグループ全体の情報を開示しようと思うと、独自形式にならざるを得ません。逆に言えば、今年からグループベースでの表示の重要性が格段に増している、ということです。

実際、2015年3月末と2016年3月末の連結総資産および連単倍率(総資産ベース)を比較すると次のようになります。

会社名 2015年3月末 2016年3月末
日本生命 62.6兆円(1.006倍) 70.6兆円(1.113倍)
第一生命 49.8兆円(1.353倍) 49.9兆円(1.391倍)
明治安田生命 36.6兆円(1.003倍) 39.1兆円(1.071倍)
住友生命 27.5兆円(1.005倍) 31.8兆円(1.150倍)

2015年3月末の時点では第一生命以外の連単倍率はほとんど1倍だったのに対し、2016年3月末ではかなり変化しているのが分かるかと思います。(連単倍率だけ見るとあまり大きく変化していないようですが、連単倍率がこれだけ変化するためには総資産にして数兆円の変化が必要なのです)

これからも連結ベースは独自開示が続くのでしょうか。あるいは、連結ベースでも何らかの統一様式の作成が進むのでしょうか。今後の開示の動向に注目です。

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