« 次の元号は何か | トップページ | 2017年に観た映画(私的)ランキング »

2017年12月14日 (木)

映画「gifted/ギフテッド」

フロリダのボート修理工フランク・アドラーのもとで育てられる7歳の女の子、メアリー。普通の女の子かと思いきや、彼女は数学に関して天才的能力を持つ「ギフテッド」でした。フランクは、天才数学者であった姉ダイアンの遺児であるメアリーを「普通の子供」として育てようとします。しかし周囲はメアリーの数学的才能を放ってはおかず、ギフテッド教育の充実した学校に転校させようとします。そして彼女の才能に最も執着する祖母イブリンとフランクとの間に、メアリーをめぐる親権争いの裁判が起こされます…

本作品ではメアリーの叔父であるフランクと、メアリーの祖母であるイブリンとの間の親権争いということで、親族関係がやや複雑ではあるものの、子供が男性の養育者になついており、かつ男性側が(特に経済的に)不利な条件での争いを強いられるという点では、親権争いの名作「クレイマー、クレイマー」のテッドとビリーを彷彿とさせるところがあります。

一方で子供が5歳の男の子だった「クレイマー、クレイマー」に対して本作「gifted/ギフテッド」は7歳の女の子ということもあって、養育者である叔父に対してませた口をきいたり、意見を言ったりする場面がしばしば見られます。このあたりはこの作品の醍醐味だと思いますのでぜひ劇場でご覧になってください。

「gifted/ギフテッド」はドラマとして十分に楽しめる作品になっていますが、このブログを読むような方に対しての魅力としてもう一つ「数学」というものが挙げられるでしょう。メアリーの亡き母ダイアンが挑戦していたのはミレニアム問題の一つナビエ・ストークス方程式であり、祖母イブリンがメアリーにミレニアム問題を説明する場面では、ポアンカレ予想を解いたグリゴリー・ペレルマンにも触れられます。ほかにも「トラハテンベルグ法」(ネタバレになるのであえてリンクは張りません)とか、さらにみなさんがおなじみの(本当におなじみの)式の証明にメアリーが取り組ませられる場面も現れたりして、いろいろとツボにハマります。

そして一番驚いたのは、エンドロールに数学面でのコンサルタントがクレジットされており、その中に2006年のフィールズ賞を受賞した「テレンス・タオ」の名前が! こういうところでプロフェッショナル、しかも超一級の数学者が参加するあたり、さすがとしか言いようがありません。(ちなみにコンサルタントの名前はたしか4人挙がっていたのですが、あとの3人が記憶に残ってません。ご覧になった方はお教えください。)

なお、映画自体はそれほど数学の内容に突っ込んだものはありませんし、数学を知らなくてもドラマとして十分に面白いです。フランク役のクリス・エヴァンス、メアリー役のマッケナ・グレイスの演技は本当に素晴らしいですし、フランクとメアリーの良き隣人として、先日ご紹介した「ドリーム」のオクタビア・スペンサーが出ており、これまたいい味を出してます。おすすめです。

« 次の元号は何か | トップページ | 2017年に観た映画(私的)ランキング »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/554939/66132558

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「gifted/ギフテッド」:

« 次の元号は何か | トップページ | 2017年に観た映画(私的)ランキング »

フォト
無料ブログはココログ
2018年11月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

最近のトラックバック