アクチュアリーの経営トップ
日本生命の社長が交代するというニュースがありました。
この次期社長の清水博氏はアクチュアリーです。こんな本も書いておられます。
出版が1994年とかなり古いですが、剰余はすべて契約者に還元すべきとされていた相互会社において自己資本を積み立てる「エンティティ・キャピタル・モデル」を提唱した本です。
さて、アクチュアリーが社長になることについては4年ほど前にも似たようなエントリを書いたのですが、今はどのような生保会社にアクチュアリーが経営トップとしておられるのでしょうか。調べてみるとこんな感じです。
- 明治安田生命:根岸秋男社長
- 三井生命:有末真哉社長(4月1日から会長)
- SBI生命:飯沼邦彦社長
- アリアンツ生命:加藤隆社長
- アクサダイレクト生命:住谷貢会長(非常勤)
- プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン:倉重光雄会長兼CEO(ジブラルタ生命会長、プルデンシャル生命会長(非常勤))
社長・会長という意味では現在6名(4月から7名)ということですね。
で、日本生命の経営トップがアクチュアリーということになると、アクチュアリーという職種自体に関心が向くわけで、次のような記事が出てました。
一生食いっぱぐれない専門職 「アクチュアリー」って何だ?(週刊文春2018年2月8日号)
天下の文春様でアクチュアリーの記事を目にする日が来ようとは。さっそく記事を見てみたいと思います。
正会員は日本全体でも1700人ほどしかいない。
日本アクチュアリー会のサイトを見ると、2017年3月31日現在で正会員1,654人とありますね。
保険会社の役員には必ずアクチュアリーがいて、経営会議には主席アクチュアリー役として参加する。
「主席アクチュアリー役」って特定の会社にしかない役職のような気がしますが…それはさておき、保険会社の役員には必ずアクチュアリーがいるというのは本当でしょうか。
で、調べてみました。生命保険会社だけですが。
最近は「役員」といってもいろいろな種類がありますが、取締役・監査役・執行役・執行役員のいずれかで、2017年のアニュアルレポートにアクチュアリー(日本アクチュアリー会の正会員)が載っているかどうかを調べてみたところ、生保41社中、役員にアクチュアリーのいる生保は27社。意外にも1/3の会社は役員にアクチュアリーがいないのですね。
外資系の会社などですと外国のアクチュアリー資格を持つ人が役員にいるケースもあったりしますし、その意味では目安程度の数字ですが、文春にあるとおり、「生保大手4社のうち2社のトップがアクチュアリー出身となった」今回をきっかけに、アクチュアリーが経営に参画する場面がもっと増えるといいですね。
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