無選択失効取消:約款の規定
そういえば以前のエントリでも上げたとおり、ソニー生命が9月から「無選択失効取消規定」を導入したんでした。そのエントリに最後に、このように書きました。
まずはソニー生命の9月1日以降の約款がこの部分に関して変更されるのかが注目です。
で、いま見てみると…約款、変わってましたねえ。改定の案内が出ています。
実際の約款上の表現は以下のようになるようです(有期払込終身保険の例。太字が追加部分)。
(猶予期間および保険契約の失効)
第11条 (略)
2 猶予期間内に保険料の払込みがないときは、保険契約は、猶予期間満了日の翌日から効力を失います。この場合には、保険契約者は、解約返戻金を請求することができます。ただし、保険契約者が解約返戻金を請求した場合を除き、猶予期間満了日の翌日から猶予期間満了日の属する月の翌月末日まで(以下「失効取消期間」といいます。)に延滞保険料と、これに対する会社所定の利率で計算した利息の払込みがあったときは、会社は、保険契約者から失効の取消請求があったものとみなして、保険契約が失効しなかったものとして取扱います。
(猶予期間中等に保険事故が発生した場合)
第12条 猶予期間中に保険金支払事由が生じたときは、会社は、未払込保険料を、保険金から差引きます。
2 猶予期間中に保険料の払込みの免除事由が生じたときは、保険契約者は、その猶予期間の満了日までに未払込保険料を払込んでください。この未払込保険料が払込まれない場合には、保険契約は猶予期間満了日の翌日から効力を失い、会社は、保険料の払込みを免除しません。
3 失効取消期間中に保険金支払事由または保険料の払込みの免除事由が生じた場合で、失効取消期間中に前条第2項ただし書に定める延滞保険料と、これに対する会社所定の利率で計算した利息の払込みがあったときは、保険金の支払または保険料の払込みの免除を行います。
4 前項の規定にかかわらず、保険契約者と被保険者を同一とする保険契約において、失効取消期間中に死亡保険金の支払事由が生じたときは、死亡保険金を支払います。この場合、会社は、延滞保険料とこれに対する会社所定の利率で計算した利息を、死亡保険金から差引きます。
前回のエントリでは「失効取消って単なる猶予期間の延長じゃないの?」と書いたのですが、この約款の文言を見るとその違いがわかりますね。
- 猶予期間中の保険料を払い込むときは利息がかからないが、失効取消期間中の保険料を払い込むときは利息がかかる
- 猶予期間中に保険金が受け取れる場合にはただちに未払込保険料と相殺されるが、失効取消期間中の場合はいったん未払込保険料と利息を支払わないとそもそも保険金を受け取れない(ただし契被同人の場合の例外あり)
利息がかかるあたりは契約失効後の復活に似たところがありますが、復活には診査が必要となるため、それとの違いを明示する観点で「無選択失効取消」と名付けたのかと推察されます。
一方で、同様の制度をすでに導入しているSOMPOひまわり生命のほうは、約款上は(私の確認した限り)失効取消制度導入に伴う文言の変更はなく、また制度導入時の発表資料を見ても利息に関する言及がありません。ですので、ひまわり生命のほうは猶予期間の延長に近い取扱いのようにも感じられます。
まだ制度導入が始まって間もなく、なおかつ取扱いにもやや差異があるようですが、約款上の文言となったことで、この失効取消制度の法的な位置づけに関する議論が進んでいくことを期待したいです。
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