アクチュアリー試験の合格まで何年かかるのか?(2018年度試験合格者版)
少し前にこういうブログエントリを見かけたんですよ。
税理士試験は国家試験なので開示請求が必要ですが、アクチュアリー試験なら合格者一覧と会員名簿で何とかなるんではないか、と思ったんですよね(合格者一覧はアクチュアリージャーナルに、会員名簿は会報に載っています)。
で、2019年に全科目合格した83名が、合格前年度までに「研究会員」または「準会員」であった年数を調べてみた結果が以下のとおりです。
- 2年:3名
- 3年:5名
- 4年:7名
- 5年:11名
- 6年:11名
- 7年:6名
- 8年:12名
- 9年:9名
- 10年:6名
- 10年超:13名
平均は約7.9年となりました。「アクチュアリー試験合格までの平均年数は約8年」というのがまことしやかに語られていましたが、直近実績でも同じような状況なのですね。
なお、上述のとおり、これは正確には合格までの年数ではなく、「合格前年度までに『研究会員』または『準会員』であった年数」を調べています。つまり、会員になる前に1次試験を受験して(これは制度上可能です)、全科目合格するといきなり「準会員」からスタートすることになりますし、したがってこの計算方法では最短年数が「1年」になります。
また会員名簿を元にしてたどると異体字の表記ゆれ(渡辺と渡邊と渡邉など)がありますし、人によっては改姓などもあります。これらは分かる範囲で補正していますが、ひょっとすると漏れがあるかもしれません。
まあそんなわけであまり当てになる調査ではないのかもしれませんが、気が向いたら他の年度でも調べてみたいと思います。
[2019.12.22追記] コメントいただいたので追記しますが、これは「2019年に全科目合格した」人、つまり、2018年12月の試験を受け、2019年2月の発表時に全科目合格した人のデータをもとにしています。実は、これは「2019年に新正会員になった人」ではありません。正会員になるには、アクチュアリー試験全科目に合格した上で、さらにプロフェッショナリズム研修(初期教育)を受講する必要があります。
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コメント
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定義上、当然ではありますが、正会員を取得した人の平均年数ですね。なので、今後受ける人は、計算上取り込めない、正会員を取得できずに受け続けてる人もいることには留意が必要かと。
投稿: FIAJ | 2019年12月22日 (日) 11時28分