新型コロナウイルス:災害保険金の支払い
前回のエントリで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が指定感染症から一類または二類感染症にする予定であること、それに伴って災害保険金の支払い要件に新型コロナウイルス感染症が含まれる可能性があることを書きましたが、生命保険会社はそのような法令上の対応を待たずして動きました。
日本生命・第一生命・明治安田生命・住友生命・かんぽ生命が、新型コロナウイルス感染症による死亡で災害死亡保険金も支払うことを表明しました。
- 日本生命:「新型コロナウイルス感染症」に罹患されたお客様の災害死亡保険金等の特別取り扱いについて(2020年4月16日)
- 第一生命:「新型コロナウイルス感染症」に関連した対応について~災害割増保険金等に規定する「感染症」の範囲拡大について~(2020年4月16日)
- 明治安田生命:新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴うお客さまへの追加対応について~災害死亡保険金等の支払対象となる特定感染症の範囲拡大~(2020年4月15日)
- 住友生命:新型コロナウイルス感染症に関する災害死亡保険金等のお支払いについて(2020年4月16日)
- かんぽ生命:新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴う保険金の倍額支払のお取り扱い(2020年4月15日)
この取扱いの対象となる商品ですが、かんぽ生命は通常の死亡保険において災害死亡のときの「保険金の倍額支払」の制度を設けている一方、その他の4社の場合は一般に「災害割増特約」「傷害特約」といった名称での特約となっています。
なお、適用時期が会社によって微妙に異なるので注意が必要です。
- 日本生命:発表日(2020年4月16日)から適用。
- 第一生命:すでにこの感染症によって死亡した場合も含めて適用。詳細は改めてHP等を通じてお知らせ。
- 明治安田生命:すでにこの感染症によって死亡した場合も含めて適用。
- 住友生命:2020年2月1日以降に発生した支払理由について適用。
- かんぽ生命:すでにこの感染症によって死亡した場合も含めて適用。ただし倍額支払はそもそも契約から1年6ヶ月以上経過していることが必要。
私が見た限りでは、今のところ新型コロナウイルス感染症の災害保険金支払について公表している会社はこの5社のみのようです。同様の取り扱いが他の会社に広がっていくのか注目されます。
(2020.4.22追記)
その後いくつかの会社が新型コロナウイルス感染症による死亡を災害死亡保険金の支払対象に含む旨を発表しました。
- アフラック生命:新型コロナウイルス感染症に関する災害死亡保険金等のお支払いについて(2020年4月18日)
- アクサ生命:新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴う対応~災害保険金等の支払対象となる感染症の範囲を拡大~(2020年4月17日)
- アクサダイレクト生命:新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴う対応 ~災害保険金等の支払対象となる感染症の範囲を拡大~(2020年4月20日)
- 富国生命:新型コロナウイルス感染症に関する災害割増保険金等のお支払いについて(2020年4月22日)
また、クレディ・アグリコル生命は、自社の商品で災害死亡保険金を支払うような商品がないことを記載しています。
加入している商品に該当するものがあるかどうかは契約者にはなかなかわかりづらいので、「ない」ことを明らかにするのは親切ですね。
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