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2021年4月

2021年4月 5日 (月)

世界のIAIGs指定状況(2021.4.1アップデート版)

少し前に世界のIAIGs指定状況をお知らせしました。2021年4月1日時点でIAIS(保険監督者国際機構)が各国地域の保険監督当局が公表したIAIGsをまとめたリストによると、世界で48あるIAIGsのうち47が公表されています。

本社所在地域別には以下のとおりです。

  • EU:21グループ
    • フランス:8グループ
    • 英国:4グループ
    • ドイツ:3グループ
    • オランダ:2グループ
    • オーストリア:1グループ
    • ベルギー:1グループ
    • イタリア:1グループ
    • スペイン:1グループ
  • スイス:5グループ
  • 北米:11グループ
    • 米国:8グループ
    • カナダ:3グループ
  • アジア太平洋:8グループ
    • 日本:4グループ
    • 香港:2グループ
    • シンガポール:1グループ
    • オーストラリア:1グループ
  • 南アフリカ:2グループ

前回のエントリでは34グループありましたが、そこから増えたのは、スイス(5)、米国(2)、カナダ(3)、オーストラリア(1)、南アフリカ(2)です。通常は、もうすでに指定がなされているものを国として開示するかどうかの判断になるので、ある国の指定グループ数が前回と異なっているという状況は発生しません。ただし米国は前回書いた通り例外で、州ごとに監督当局が異なるため、前回の指定数6から今回は8に変わっています。ニューヨーク州の分が追加されていますね。

じつは2月17日の時点で40グループまで開示されており、残る8グループはスイスと中国だろうと思っていました。スイスはこういう個別企業のことは開示しないイメージがあったのですが、今回の開示には入っていますね。南アフリカにIAIGsがあるのは盲点でしたが、開示された2社はいずれもアフリカで広く展開している保険会社であり、名前を見ればIAIGsに入るのも納得です。

ということで、開示されていないIAIGは1社となりました。前回の推測によれば残るは中国…ということになりますが、IAISの公表によれば、48の指定IAIGsは「16の国または地域(jurisdictions)」からとされており、今回までに開示したのは「16の国または地域」となっています。つまりこれ以上開示国が追加される余地がありません(香港については"China, Hong Kong"と書かれており、中国本土とは別のjurisdictionの扱いになっていると思われます)。

つまりあと1社についてはjurisdictionを増やさない形で追加がなされる必要があるわけですが、それがありえそうなのは1カ国しかありません。…米国です。米国は、ニューヨーク、ネブラスカ、ペンシルベニア、デラウェア、マサチューセッツ、ニュージャージー、ミズーリの7つの州がこれまでにIAIGsを公表していますので、これ以外のどこかの州にIAIGがある、ということなのでしょう。

さて、48のIAIGsのリストが完成するのはいつなのでしょうか。答え合わせをしてみたいものです。

2021年4月 2日 (金)

日本から〇〇生命保険〇〇〇をもつ会社がなくなってしまいました

(1日遅れのエントリですが)新年度になりました。この4月1日付で、生命保険業界には二つの変化がありました。

(1) ソニー生命とソニーライフ・ウィズ生命が合併

昨年の12月にアナウンスされていたことですが、ソニー生命ソニーライフ・ウィズ生命が4月1日付で合併しました。これにより、日本の生命保険会社数は全部で41社となりました。

…って書いてたら、朝日生命の子会社が生命保険業免許を取得してるじゃないですか!

本日、朝日新会社設立準備株式会社に対し、保険業法第3条第1項の規定に基づき生命保険業の免許を付与しました。


(参考)保険会社の概要

1.商号 : 朝日新会社設立準備株式会社
               ※免許取得後に「なないろ生命保険株式会社」へ商号変更
2.本店所在地 : 東京都新宿区四谷1丁目6番1号
3.代表者 : 代表取締役社長 石島 健一郎
4.資本金 : 45億円
5.株主構成 : 朝日生命保険相互会社 100%
6.営業開始日 : 令和3年10月1日(予定)

ということで10月にはまた42社になるようです。

(2) チューリッヒ生命が日本法人化

チューリッヒ生命はこれまで「チューリッヒ・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド日本支店」、つまり日本の法人ではなく、外国法人の日本支店でしたが、日本法人「チューリッヒ生命保険株式会社」となりました。正確には、日本で設立された法人「チューリッヒ生命保険株式会社」に「チューリッヒ・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド日本支店」の保有する全契約が移転されました。

これに伴い、4月1日付の官報で以下の金融庁告示第19号が出されています。

チューリッヒ・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドが日本における保険契約の全部に係る保険契約の移転をしたことに伴い、保険業法(平成七年法律第百五号)第二百十条第二項及び第二百七十三条第一項第一号の規定により、同社の同法第百八十五条第一項の免許がその効力を失ったので、同法第二百七十四条第四号の規定に基づき、告示する。

前にも書いたのですが、日本で生命保険業を営むことができる免許は「生命保険業免許」と「外国生命保険業免許」の2種類あります。外国生命保険業免許は外国法人(の日本支店)が生命保険業を営むための免許で、保険業法第185条に規定されています。「チューリッヒ・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド日本支店」はこの免許に基づいて営業していたわけですが、上述のとおり今回の日本法人への移行により免許の効力を失ってしまいました。これにより、日本で外国生命保険業免許をもつ会社がなくなってしまったわけです。

まあ、これまでの保険契約は日本法人に移転されてもまったく同様に保障されますので、実態的に何かが変わるというわけではありません。しかしインシュアランス生命保険統計号がこれらの免許ごとに統計情報を分けられていたりするので、ごくごく一部の実務者(私を含む)にとっては少し感じるところがありますね。

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