こどもの日?子どもの日?子供の日?
今日はこどもの日です。こどもの日は国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)において次のように定められています。
こどもの日 五月五日 こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。
父は感謝されないのですね…。
それはともかく、ご覧のとおり「こども」とひらがなで書かれています。じゃあ法律はみんな「こども」とひらがなで書いているのかと思い、e-Gov法令検索で調べてみました。
- 「こども」を含む法律:53
- 「子ども」を含む法律:119
- 「子供」を含む法律:1
と、「こども」「子ども」「子供」が全部あるのですが、面白いのは「子供」を含む法律が一つしかなく、しかもそれが公職選挙法(昭和25年法律第100号)なんですね。該当の条文を抜粋します。
(投票所に出入し得る者)
第58条 選挙人、投票所の事務に従事する者、投票所を監視する職権を有する者又は当該警察官でなければ、投票所に入ることができない。
2 前項の規定にかかわらず、選挙人の同伴する子供(幼児、児童、生徒その他の年齢満18年未満の者をいう。以下この項において同じ。)は、投票所に入ることができる。ただし、投票管理者が、選挙人の同伴する子供が投票所に入ることにより生ずる混雑、けん騒その他これらに類する状況から、投票所の秩序を保持することができなくなるおそれがあると認め、その旨を選挙人に告知したときは、この限りでない。
3 選挙人を介護する者その他の選挙人とともに投票所に入ることについてやむを得ない事情がある者として投票管理者が認めた者についても、前項本文と同様とする。(教育者の地位利用の選挙運動の禁止)
第137条 教育者(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に規定する学校及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号)に規定する幼保連携型認定こども園の長及び教員をいう。)は、学校の児童、生徒及び学生に対する教育上の地位を利用して選挙運動をすることができない。(連呼行為の禁止)
第140条の2 何人も、選挙運動のため、連呼行為をすることができない。ただし、演説会場及び街頭演説(演説を含む。)の場所においてする場合並びに午前8時から午後8時までの間に限り、次条の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶の上においてする場合は、この限りでない。
2 前項ただし書の規定により選挙運動のための連呼行為をする者は、学校(学校教育法第1条に規定する学校及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第2条第7項に規定する幼保連携型認定こども園をいう。以下同じ。)及び病院、診療所その他の療養施設の周辺においては、静穏を保持するように努めなければならない。
ご覧の通り、定義がなされているのは「子供」だけで、「こども」は「認定こども園」という単語の一部として出てきています。実は他のほとんどの法律も同様で、「こども」が「認定こども園」という単語の一部になっていない法律は「国民の祝日に関する法律」と「こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律(昭和55年法律第91号)」の2つしかありません。こどもの国協会というのは、横浜市青葉区にある「こどもの国」(現在の上皇のご成婚を記念して設立された施設です)を管理していた団体です。
さて以上見てきたことをまとめると、
- 「子供」は公職選挙法にしか現れない、珍しい表記。
- 「こども」は「こどもの日」「こどもの国」「認定こども園」ぐらいしか法律に現れない。
- その他はだいたい「子ども」表記になっている。
ということになります。つまり法律上の表記としては「こどもの日」でなく「子どもの日」のほうが自然だった?
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