世界のIAIGs指定状況(2022.7.26アップデート版)
国際的に活動する保険グループ(Internationally Active Insurance Groups; IAIGs)のリストについて、7月26日にアップデートされていました。
IAIGとは基本的に以下の要件を満たす保険グループとされます。IAIGに指定されると、国際的な保険資本要件ICS(Insurance Capital Standard)をはじめとする規制要件に服することとになります(ただしICSは現在モニタリング期間中であり、まだ規制は実施されていない)。
- 国際的活動要件
- 3以上の国または地域で保険料が計上されており、かつ
- 本国外のグロス収入保険料が、グループ合計のグロス収入保険料の10%以上あること
- 規模要件
- 総資産が500億米ドル以上、または
- グロス収入保険料が100億米ドル以上
2022年7月26日現在、IAIGの数は49。これまでは具体的な保険グループ名のわからないIAIGがあったのですが、今回初めてすべてのIAIGがグループ名とともに公表されました。
国・地域別の内訳は以下のとおりです。
- 欧州:26グループ
- フランス:8グループ
- スイス:5グループ
- ドイツ:3グループ
- 英国:3グループ
- オランダ:2グループ
- オーストリア:1グループ
- ベルギー:1グループ
- フィンランド:1グループ
- イタリア:1グループ
- スペイン:1グループ
- 北米:13グループ
- 米国:9グループ
- カナダ:4グループ
- アジア太平洋:8グループ
- 日本:4グループ
- 香港:2グループ
- シンガポール:1グループ
- オーストラリア:1グループ
- 南アフリカ:2グループ
直前の公表は2022年2月10日現在のもので、その時点ではIAIGは48グループの名前が公表されていました。その時から新たに追加されたのはフィンランドのSampo Groupです。なんでEU加盟国なのに社名公表してなかったのか、謎です…(今回初めてIAIG要件に該当したのかもしれませんが)。
さて、今までは社名未公表のIAIGがあったので、それがどこかといろいろ推測してきましたが、今回の全社公表でIAIGのリストが完成したといえます。ICSのモニタリング期間は2024年に終了する予定であり、国際的な保険監督規制の体制に向けていよいよ整ってきたといえるかもしれません。
最近のコメント