書籍・雑誌

2014年5月 7日 (水)

外資系金融のExcel作成術

先日、こんなものを見かけました。

東洋経済の本の広告について

『外資系金融のExcel作成術』の著者、慎泰俊さんの、自分の思いとは離れた広告を出されてしまったことに対する嘆きです。

そこで、twitterで次のように書いたところ、

即、著者ご本人からリプライが来るとは驚きました。

そして今日、日経ビジネスオンラインで、編集担当者による本書の紹介記事を見たのです。

絶賛!オンライン堂書店:Excelニンジャ秘伝の巻物はやっぱりすごいでござる

エントリタイトルから想像がつくかもしれませんが、担当者は「エクセルニンジャ」という呼称にすごく引きつけられて、慎さんに本書の執筆を依頼しています。そこには「誰も知らない裏ワザ」的な内容を期待することが窺われます。

そしてこの本を書籍として出版可能かどうか(要は採算がとれるかどうか)について、担当者は慎さんにいくつかの確認をするのですが、その中で決定的に「すれ違ったな」と感じられたのが以下の部分でした。

最後の関門は読者です。書く気とノウハウがあっても読者がいなければ商業出版は成立しません。私が知らないだけで、実はこうしたノウハウはすでに業界で知られているのであれば、本を出しても買う読者がいません。

ここに書かれてあるノウハウは、本当にみなさんご存じないのでしょうか。率直に聞いてみると「あまり知られていない」とのこと。外資の世界では多少標準化されているものの、日本では、先輩や上司が作った表を代々引き継いでいたり、我流で作ったりしているのだそうで、だから、日本企業で働く人びとが作ったExcelのほとんどは、実は世界のビジネスパーソンからは、「見にくい」「醜い」と不興を買っているとのこと。

それは良かった、いや大変だ!

日本中に困っている人がいるということじゃないですか。一刻も早く彼らを助けてあげましょう、ということで、その場で執筆を依頼し、本書のプロジェクトはスタートしたのです。

本書を手に取ってみると分かりますが、それほど「みんなが知らないノウハウ」がつまっている本ではないのです。むしろ「おさえるべき基本」がつまっている本なのです。その意味では、

ここに書かれてあるノウハウは、本当にみなさんご存じないのでしょうか。

という問いに対しては、むしろ「知っているかもしれないけど、守られていない」というのが正確な答えであるように思います。実際にこの通りのやり取りだったのかは知るべくもありませんが、小さなボタンの掛け違いだったのだろうなあ、と思わざるをえません。

ともかく、本書はいい本だと思います。twitter上には各業務の専門分野において私の尊敬する人がたくさんいますが、そのような方々の多くの本書に対する反応は「書店で見てみたけど、自分は買わない」というものでした。買わない理由は「すでに実践しているから」。逆に言えば、優秀な方々が実践していることがたった1冊で手に入ってしまうという本だ、ということでもあるのです。その意味で以下のようにtweetしました。

まあみなさん、書店で一度ご覧いただき、このtweetの真偽をお確かめください。

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